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Powershot S100 - 鏡筒部分修理後の状態

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コチラの記事 からの続きで、僕のS100で発生していた、

【1】レンズ鏡筒部分のカタ付きが激しく、動画撮影時にカタカタ音が録音されてしまう。
【2】同じく動画撮影において、被写体の露出が EV7前後となる場合に限り 露出の境目で露出が安定せず、結果として撮影画像に激しいチラツキが
   出てしまう。
【3】測光モードを ”スポット測光” に変更してすぐに電源を切った場合、再度電源を入れた時に変更前の測光モードに戻ってしまう。

・・・という3つの件に関して、中之島SCの方に修理・調整して頂いて返ってきました。
とりあえず、この件の修理前と修理後の状態を以下の動画にしてみました。





IXY31S のレベルには届いていないものの、修理前の状態から比較すると劇的に改善されていると思います。
しかしこうして比べてみますと、IXY31Sの設計・開発担当の方々の能力がいかに素晴らしかったかが分かりますね。

で、ともあれ この動画だけでは分かり難い点もあるのですが、【1】~【3】 それぞれに関して、結局、以下のようになっています。

【1】鏡筒の振動音の件 : 動画内容の通りです。
【2】露出のチラツキの件 : ファームアップにて完全に改善されました☆
Powershot S100 - 鏡筒部分修理後の状態_d0110849_2042954.jpg【3】測光モードの件 : これは"仕様"です。
この 『スポット測光に設定した場合は一旦電源を切ると元に戻ってしまう』 のは、スポット測光の場合は撮影結果に与える
露出の影響が大きいため、戻し忘れ等で露出のおかしな写真にならないようあえてそういう "仕様" にしている、とのコトです。
確認してみますと、確かに IXY31S でもスポット測光に関してはそういう設定になっていました。
僕の場合、スポット測光は右のような舞台撮影 (ISO3200 前後が必要となります) でしか使うコトがないので、IXY31S を始め
今までのコンデジではテストすらしていなくて気が付きませんでした。
これは僕の早とちりだったようで、この仕様を設計された方には申し訳ありませんでした。




で、この 【1】 に関してですが、実は僕、コレは 『レンズ鏡筒部分の触れ合う音』 だと思っていたのですが、どうやらそれだけでは無さそうな感じです。
上の動画の "修理前" の辺りで、比較的高音の 『カカカカカッ・・・』 という細かな連続音と、比較的低音の 『コッ・・コッ・・ココココッ・・』 という、2種類の音が入っているのがお分かり頂けると思うのですが、どうやらこの2つは異なる原因から発生しているような感じで、高音の方に関しては鏡筒を押さえながら撮影しても全く治まらないようです。
ですので、S100のこの雑音現象に困っている方は、サービスセンターに預ける際に 『鏡筒のガタ付きを修理してほしい』 という説明をすると、『この鏡筒の隙間については動作上必要な規格の範囲です』 という答えが返ってくる可能性があって、仮に鏡筒のガタ付きは少なくなったとしても雑音現象自体は改善されない場合もあり得るような気がします。

ともあれ、今回のこの修理・調整は、中之島SCの方々 (当初よりお世話頂いている 『Yさん』 と、実際に修理・調整を行って下さった技術者の方) にお世話を頂いたのですが、コチラ でも書いていますように、僕は今回の中之島SCのYさんのご対応の素晴らしさには本当に感謝しています。
ユーザーから見ればどの部署であっても 『キヤノンはキヤノン』 なのですが、SCの皆さんの立場としては 『本部寄りの対策部署が決めた対処策 という 括りの範囲の中』 でしか動きようが無いハズです。
今回、Yさんには、この修理に関する幾つかの段階の度に丁寧なご連絡を頂き、しかもその上で、実際に調整を頂く際には技術者様が作業して下さる場に立ち会いまでして、Yさんご自身も調整部品の組み合わせ状態をご確認下さっていたようです。 つまり、中之島SCの皆さんには 『"SCという立場" として行える範囲の中で、これ以上はあり得ない "細心最大のご対応"』 を頂けたものと思っています。

ですので、S100 の撮影動画に入るクリック雑音に関してはこれが限界 なのだと思われます。
ちなみに最新ロットに関してはどうなっているか僕には分からないのですが、キヤノンの "本部寄りの対策部署" では 『この件については "実使用に問題のない仕様の範囲" として特に対策を講じることはしない』 と決まっているようですので、つまり最新ロットでも、今回中之島SCの皆さんに調整頂いた この個体以上はあり得ない ような気がします。

本来、こういう駆動部分の精度や品質の高さこそが、日本が世界に冠たる技術大国の礎となった得意中の得意部分だったハズですので、そういう部分を疎かに認識し始める辺りから、逆に何かが衰退に向かってしまうような事にも繋がりかねないように思えてきます。

ハナシが飛躍するのですが、時々 『日本人は、自分が日本人である事に民族としての誇りを持っていない』 といった性質の話を聞かされる事がありますが、僕はそんな事はないと思っています。
日本人のカメラ好きは世界でも有名だそうで、映画 『X-MEN』 でも橋が崩れ落ちるような場面でも三脚を構えて写真撮影をする日本人の姿がピン・アップで出てきたりするほどに、世界の至るトコロでカメラを構える日本人の姿が他国の人からみると滑稽にも映っているようですが、でもそれも、日本人の腹の底には世界に冠たる日本製品への誇りを持っているからそうなるのだと思えるわけです。

だから、S100のこのカチカチ音を 『実使用には問題の無い仕様の範囲内』 と決めた 本部寄りの対策部署 の人に言っておきたいコトがあります。
スチル写真の場合は "画像" だけがスチル写真そのものの品質となりますが、動画の場合は "画像" と "音声" がセットとして品質となるハズです。
これが SONY の NEX-5N のように外付けマイクを使えるようなモデルならまだ 『コレは仕様』 でも通ると思うのですが、外付けマイクを使えないS100の場合は内臓マイクでの音声そのものが品質の全てとなるハズです。
その上で、このカチカチ音に関しては、『"ハード部分の原因" によって "音声データに影響を与える"』 という性質の問題だと思われるのですが、コレを画像に置き換えた例を挙げると 『"レンズに無数の気泡が混入" していて "画像データに影響を与える"』 という次元に近い問題だと思われるわけです。
IXY31Sを始め今までのキヤノンのコンデジではそんな問題など無かったのに、今更そんな低レベルの問題を 『キヤノンの仕様』 として世界中にバラ撒くようなマネをするくらいなら、そんな品質の動画機能など最初から搭載しないほうがよっぽどマシだとは、あなたがたは思わないのかな?

今回のこの対処策を決定した 『本部寄りの対策部署』 の人の中にも、この問題をもっと的確に解決し得る素晴らしいアイデアを考えて下さった方 "も、おられた可能性" はあると思うのですが、もしそういう方がおられたとすれば、きっとその方も、今回の 『対策部署 "として" の決定』 には歯がゆい思いをされているのではないでしょうか。

僕は、今回中之島SCの皆さんが最大限のご対応を下さったこの S100 を大切に使い続けるつもりでいますが、でも 静かな雰囲気で撮りたい撮影 に S100 を使うことはないでしょう。
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いち、こういう立場の末端の者としては、日本を代表するメーカーであるキヤノンには、製品サイクルの短い製品でも手を抜く事なく、『次期 Powershot S××× を担当する開発責任者』 の方には、こういう部分も徹底的に考慮した モノ造り を目指してもらいたいものです。

by land_walker | 2012-02-12 15:21 | My Documents