職人企業-井口機工製作所 ☆ 金属ボールベアジンバル
・・・これ、個人用途の1個や2個のハナシですよ!?
ボールベアの構造上、まずメインボールに穴を開ける加工から始めて、そのメインボールの穴に取りあえずネジ等を差し込んだ状態にした上で本体に組み上げる必要があります。
これと同じ状態になる様に自分で加工する場合は、まず市販品を一旦バラしてメインボールに穴を開け、その後再度組み立てる必要が出てくるのですが、加工用の道具と技術をお持ちの方ならともかく、僕のような素人だとバラす時点と再組み立ての時点で何らかの寸法誤差が出てくる可能性が特大です。
しかし、メーカーが最初からそのつもりで作って下さる場合は、製造ラインは決定的に異なるとは思うのですが基本的に仕上げを含めて全てメーカー精度となります。
カメラに限らず、今まで、それはソレは色んなコトで色んなメーカーとお付き合いしてきましたが、ココまで徹底して一個人の要望に向き合って下さるメーカーは、25年ほど前の ホンマゴルフ 以来です。
昔のゴルフクラブは今の様にチタンではなくて ”木製” だったのですが、木を削る段階からロフトやライ角はもちろん、フェースラウンドや厚さ、重心深度から塗装の仕方まで、徹底的に要望を聞いた1本を造り上げてくれました。
当時のホンマゴルフは、ウッドクラブの削り出し職人は 『気分が乗らない』 という欠勤理由が認められる程の ”モノ造り気質” の企業だったのですが、今の時代に井口機工さんのようなメーカーに出会えたことは感動です。
今回僕は大阪支店の西村さんという方にご担当頂いたのですが、この営業の西村さんも親身に相談に乗って下さる素晴らしい方で、ボールベアに限らず駐車場や展示会・各種ステージのターンテーブルなど、ノーマルはもちろん特殊な用途で必要な場合なども是非ご相談されることをオススメしたいです。 井口機工さんで無理ならたぶんドコに相談しても無理だと思います。
☆ 絶えまざる創造 ・(株)井口機工製作所 / 各支店・オフィスの所在地・連絡先
で、ともあれ早速グリップを作ってテストしてみたのですが、
・・・ただ、実際に使ってみますと、思いもよらぬ新たな問題が出てきました。。。
この金属製ボールベアはあくまでも 『一般用 = 主に搬送業務用』 なので、『クリーンルーム用 = 精密加工用途の場合も有り得る』 と比べると、メインボール表面の ”滑らかさの精度” が異なります。
たぶん一般用途として搬送業務などでの過剰稼動を防ぐためワザとこういう仕上げになっていると想像しているのですが、恐らくボール表面にミクロン単位と思われる微妙な凹凸があって、それが本体内の無数のサブボールと触れ合う際に ”微振動と微音” が発生し、その微振動がアームを伝ってそのままマイクで拾ってしまうようです。。。
非常に残念ですが、動画撮影としてこれは致命的です。
メインボール表面が鏡面仕上げレベルの滑らかさだったら低減される可能性はあるかも知れないのですが、何となくコレは材質同士の相性の問題のような気もします。
メインボール:樹脂、サブボール:ステンレス、本体:樹脂 ・・・ という組合せが、強度と滑らかさのバランス的に最もジンバルに適しているような気がしてきました。
理想のジンバルはナカナカに遠そうです。。。
by land_walker | 2011-10-15 02:11 | My Documents