ミサイルから身を守る方法について考えてみた

北朝鮮情勢の不安が高まりつつある中、21日、弾道ミサイル攻撃を受けた際の避難方法についての説明が、内閣官房のホームページに掲載されました。

まさか日本で、『ミサイルから身を守るための手段』 なんてものが 政府から告知 されるような状況になるとわ。。 困ったもんです。。

考えたくもない事だけど、実際問題として 『有り得る』 状況になってきた以上、考えておかないわけにも行かなくなってきました。。



●1:『弾道ミサイル』 というモノについて

海外映画などで、戦闘機がミサイルを発射して敵機を攻撃するシーンがありますが、じゃあ例えば大阪の場合、北朝鮮のある北西の空を眺めていれば、あんな感じで煙の尾を引きながらミサイルが飛んでくるのが見えるのかな~? だったら向かってくるミサイルが見えたら避難すれば良いかな~?・・・なんて漠然と思っていたのですが、どうやら 『弾道ミサイル』 の場合は全く様相が異なるようで、
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1:まず、発射直後からロケット加速を行い、大気圏を遥かに超えた宇宙空間まで高度を上げる。
2:十分に加速された後は、慣性と地球重力による自由落下によって標的に向かう。

・・・と、基本的にはこういう原理のもののようです。

この時、例えば酸素吸入を必要としないスカイダイビングなど、3800mくらいの高さから何かを落としても空気抵抗があるのでそれほど大きな速度にはならないのだけど、空気抵抗のない宇宙空間を400kmも自由落下してくるミサイルはトンデモない速度になって、大気圏に再突入する時点で 秒速7km(マッハ20)にも達しているそうです。

一般的に、ジャンボジェットの巡行速度がマッハ 0.8、
航空自衛隊の戦闘機 F-15 の最高速度がマッハ 2.5、
その F-15 が放つミサイルの最高速度がマッハ 4、
拳銃の代名詞みたいな44マグナムの弾丸がマッハ 1、
現在最も初速の速い大口径ライフルの弾丸がマッハ4.3、

とされていますので、マッハ 20 で落ちてくるミサイルがどれほどトンデモない速度なのかと。。
仮に視力2.0の人がずっと空を見上げていて、飛行機の高度のさらに倍の 20km くらいの高さでキラリと光るミサイルをたまたま発見できたとしても、20km など3秒ほどで到達してしまう計算になります。

つまり、

『あれ? いま上空で光ったのは、もしかしてミ』

サイルかな? と最後まで考える前に地表に達してしまうレベルなので、”発見してから逃げる” なんてのは到底不可能です。

さらにこの弾道ミサイルは、北朝鮮で発射した瞬間から日本に着弾するまでの所要時間がせいぜい7~8分程度しかないそうで、つまりそのわずか数分の間に、少しでも安全な場所に避難するなり、あるいは自衛隊や在日米軍が迎撃してくれるのを期待するしかない事になります。


●2:『日本のミサイル防衛』 について

これに対して、日本のミサイル防衛の流れは、基本的に以下のようになっているそうです。
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1:米国の早期警戒衛星が北朝鮮のミサイル発射を探知。
2:米国がミサイルの弾道と着弾地点を計算し、日本及び在日米軍に連絡。
3:イージス艦が、宇宙空間を飛来している時点のミサイルを迎撃。
4:撃ち漏らしたミサイルを大気圏再突入以降に地上から迎撃。

これを、ミサイル発射から数分の間に 完璧 に連携&実行できなければ 『日本にミサイル着弾』 という惨事が現実のものとなる訳ですが、、、しかし日本列島、狭いようでたいがい広いです。
迎撃自体が100発100中で成功する保証はなく、またイージス艦や迎撃ミサイル設備も日本全域をカバーできるだけの数が揃っているとも思えませんので、もし日本の広範囲に向けて多数のミサイルが同時発射された場合、かなり高い確率で どこかに着弾 してしまうということを、覚悟・想定しておくべきだと思われます。

仮にマッハ 20 という途轍もない速度で真上から直撃された場合、たぶん学校のような3F建て鉄筋建築でも屋上から1Fまで貫通してしまいそうで、一般的な家屋ならその衝撃と衝撃波だけで半径 50m くらいは倒壊してしまいそうな気がします。 まして弾薬や化学兵器が搭載されていたらどれ程の被害になるか。。

正直なところ、直撃を喰らった場合は運が悪かったとあきらめるしかないような気がするのですが、そうでない場合は、少しでも被害を避けられる場所に避難しておくに越したことはありません。
また、仮に自分のいる場所から遠く離れた地点に着弾した場合でも、マッハ 20 で弾かれたコンクリートの欠片や小石がどれくらい遠方まで飛散するか想像もできません。 1km や 2km なら弾丸のような勢いで飛んでくる可能性もありますので、『あ、今あそこにミサイル落ちたな』 みたいな感じでボケ~と眺めていては危険かも知れません。


●3:『避難できる時間的猶予』 について

もし仮に、本当に日本に向けてミサイルが発射された場合、政府から国民に向けて緊急通知がなされます。
1つはスマホ向けの 『Jアラート(全国瞬時警報システム)』 で、NTTドコモの場合は 「緊急速報『エリアメール』」、au/KDDI とソフトバンクの場合は 「緊急速報メール」 という名称になっています。
たぶんテレビやラジオでも緊急速報として流れるような気がしますので、当面は要注意しておいた方が良いと思います。

ともあれ、その情報が流れてから 避難に掛けられる時間的猶予 についてですが、先ほどの図の、
e0198081_14002083.png
1:米国の早期警戒衛星が北朝鮮のミサイル発射を探知。
2:米国がミサイルの弾道と着弾地点を計算し、日本及び在日米軍に連絡。

の、どんなに早くてもこの 『2』 のタイミング以降にしかなりませんので、つまり情報が入った時点で ミサイル着弾まで2~3分しか猶予がないという状況に直面している事になります。

もし屋外にいるタイミングでスマホに緊急通知を受信した場合、その内容を確認するだけで30秒や1分はロスしてしまいます。
ビジネス上のマナーモードは非常に大切なことなのですが、今は紛れもなく 非常事態 です。
この北朝鮮情勢が 『落ち着いた』 と判断されるまでは、スマホの音量を最大に設定しておいて(※)、緊急通知が入ったらその内容を確認するよりとにかくまず避難する、、、というくらい警戒しておいても良いのではないでしょうか。
※緊急告知の場合はマナーモードの状態でも音が出るようです

こんな馬鹿げたことのために、犠牲者など一人として出ないことを祈るばかりです。

■内閣官房 国民保護ポータルサイト
平成29年4月21日:「弾道ミサイル落下時の行動に関するQ&A」 PDF
平成29年4月21日:「弾道ミサイル落下時の行動について(その1)」 PDF
平成29年4月21日:「弾道ミサイル落下時の行動について(その2)」 PDF

by land_walker | 2017-04-22 18:32 | My Documents | Trackback | Comments(0)

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